Lesson 1

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ただ、熱中することが無いだけで、普通だ。 「ねぇ、藍里」  猫の甘えるような声で南海が私の名前を呼ぶ。 これを彼氏にもやっているんだろうから、男が絶えない訳が何となく分かる。 「いっつも何聴いてんの? ソレ」  耳を指差し、眼を輝かせる。 「テキトーに、入ってるやつシャッフル」 「お薦めあったら今度貸してよ」 「そう言ってて、前貸したのに興味示さなかったくせに」  溜息交じりに返すと、南海は肩を竦めながらも小さく笑った。
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