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「全員席に付け~!」
教室に入ると、もう既にかたずいていた。
拓斗の席は、廊下側から二列目の前から三番目に有る席だ。
全員座ったのを確認すると、先生が口を開く。
「今日はホームルームより先にする事が有る」
先生が羽根の生えていない生徒に、デカいリュックを配りはじめた。
「これは・・・・・・ぷっ・・・・はははっ・・・」
(ってゆうか何で、何で大騎・・・・白目むいてんだ?)
もう一人の幼馴染み[司道大騎]は、白目をむいて二つ後ろの席に座っている。
今配られたリュックに入っていた鏡で、その姿が見えていた。
「これからリュックを配られた生徒には・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・別の世界に避難してもらう」
先生がそう言った瞬間、教室中が凍りついた。
「は?」
「まぁ、驚くのもわかる。だがコレは、全世界でさっき決まった事だ。
今ニュースでやっている所だと思うが、世界中で此処と同じ事が起こっている。別の世界が有る事は大分前からわかっていたことだ。
学校外でもそうだが、学校でも人間の姿のままのやつには、其処に避難してもらう事になった」
「マジかよ・・・・」
(どの世界へ飛ばす気だ?)
今までに見つかった世界は一つ二つではない。
一つ見つかったら、他にも色々な世界が見つかった。
見つかった世界の共通点は魔法を使える事だ。
しかし、それら全ては世界機密。
知ってる人は、ほとんどいない。
俺は知ってるけど。
え?何でいきなりナレーションが代わってるのかって?
代わってないよ!
今までのも俺だよ!!!
動揺し過ぎて崩れただけだよ。
ついでにキャラ崩壊もシテルヨ~。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いい加減戻ろ。
「さて、質問の有る奴いるか?」
そう先生が聞けば、一人質問した。
「異世界って本当に有るんですか?」
「有るさ!現にこの教室には二人、前世が異世界人だった人間がいる」
そして、俺が異世界の存在を知っている理由がコレだ。
前世が異世界人。
俺と大騎は前世が異世界人だった。
大騎は覚えて無いが、俺は全部覚えてる。
ずっと墓まで持って行く秘密だと思っていたが、それは無理そうだ。
必ず話す事になるだろう。
俺は、全ての世界に、狙われているから。
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