第1話

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俺はテンションが朝から高かった いつも以上に髪に気を使い 無駄なナルシストっぷりを発揮していた 学校に向かう途中 何度も昨日のメールを読み返して 夢ではないかと思い続けた ここまできたら変態じゃないかと思うくらい…文を一言一句全て言えるくらい見返した そして学校に着いた まず俺とネコがメールしてるというのを知っているのは アキと剣道部くらいだ そして彼女らは 俺とネコはただのメル友くらいにしか思ってないだろう ましてや昨日俺が花火に誘ったなんか誰も知らない 俺はクラスにだいぶ溶け込んできて 話しかけてくる人が増えていた 女生徒A「俺君って今度の花火大会誰かから誘われてないの?」 男生徒A「つか誰か誘ってねぇの?」 こいつらは何故いきなり核心を突いてくる 多分俺は目が泳ぎまくっていた 俺「誘われんし~!つか恥ずいし誘わん!」 俺は自分で過ちを犯した 女生徒A「恥ずかしいから誘わないってことは、誰か誘いたかったの?」 男生徒A「おっ?好きな奴でもおるんかぁ笑?誰や~?」 なんだお前ら めんどくさいからあっち行け 俺「んー、まぁ内緒やねー」 俺は適当に濁した そしてまためんどくさいことに 女生徒A「誰とも行かないなら私と行こう…俺「あ、ごめんその日用事ある」 即答した 俺にはネコさんしか見えていない 他の女の子はどうでもよかった 全然モテなかった俺が偉くなったものだ 昔なら多分普通にテンパっていた 女の子は食い下がってきたが 最後は諦めて帰って言った 男からは更に質問攻めをされた だが俺は綺麗にかわしていった うるさくてしょうがなかったので 俺は教室を出た 廊下を歩いていると 普通とネコが歩いていた 普通には目もくれず 俺はネコと目が合った 恥ずかしい 向こうもそうだったのか ネコの顔が赤くなっていた 軽くお互いが会釈みたいな感じで頭を下げすれ違った 後ろからは普通がネコを問いただしている 普通「ねぇ!今のなに?めっちゃ気になるんやけど!」 どうやらネコは普通にもまだ話していないらしい 言わないほうが無難だった 後で気づいたが普通はめちゃくちゃ口が軽い 歩くスピーカーのごとく情報をばら撒いていた ネコもそれをわかっていたんだと思う その日の俺はニヤけるのを抑えながら無駄にテンションが高く授業を受けて部活に向かった
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