第1話

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入学式当日、俺はハッキリ言ってビビっていた。高校というのは弱みを見せたら舐められ、イジメられ、ケンカが絶えない場所だと思ったからだ 気合いを入れなければ殺られる 俺は柔道で鍛えた体がありケンカは負けない自信があった 問題は見た目 ハッキリ言ってあまり強そうではない顔。ボサボサの髪。だが俺は必死だった 試行錯誤の結果、気合いのオールバック。顔は眉間に力を入れて周囲を威嚇する 俺「き、決まった」 俺は自分に酔いしれた 自信に満ちた顔、歩き方も肩で風を斬るように、いざ学校へ 校門をくぐり、玄関へ向かう。 学生全員が集まる玄関で俺は周囲を威嚇している。 周囲の先輩と思わしき人から 先輩A「アイツ調子乗ってね?」先輩B「誰?一年?」「ふざけた頭しやがって」 俺「フッ。(は!言ってろ言ってろ!返り討ちにしてやるわぁ)」 そんな態度の俺を見て避けて通る奴もいる めっちゃ気分が良かった そしていざ教室へ! ガラッ! 教室を見渡し、まだ人数は15人くらいでまばらだった 俺「(まだ早かったか)」 俺は椅子に腰かけHRの時間まで待った 時間が近づく 気合いの入ってく俺 続々と人が集まる 集まるにつれ違和感を感じてくる俺 そして担任が入りHRが始まった 担任が挨拶し、そして自己紹介を1人ずつやろうという事になった。 出席番号順に1人1人が名前と出身中学、趣味を言ってる そして遂に俺の出番になり、教壇に登り自己紹介をした ここで俺は確実に気づいてしまった 1人だけ浮いている みんな綺麗な格好をして髪型も普通。希望に満ちた目をし、頭の良さそうな顔立ちをしている そこに1人だけオールバックで眼つきをギラつかせ威嚇してる俺 教壇に立ったと同時にざわつく教室、1人だけ浮いていた ありふれた自己紹介をし俺は席に戻った みんな近くの席の奴と談笑している 生徒A「へ~○○中学出身なんだぁ」 生徒B「なんか部活やってたの~?」 俺「……。」 俺にその日誰も話し掛けてくることはなかった
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