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朝になって犬は、名残惜しそうにこちらを見ながら、どこかに行ってしまった
「 やっと、行ってくれたか… もうギブ… zzz…スー」
夜通し続いて俺はもう、限界だったのかその場で眠りについてしまった
木からオレンジ色の木漏れ日が差し、眩しさからか目が覚めたのだろう
「ふわー、もう夕暮れか 結構寝たな」
立ち上がって、周りを確認昨日あんな事があったので、注意は怠らない。
「よし!いないな」
「では気を取り直して出っぱーつ」
《でもさやっぱりこのテンション無理があるよなー、》
此処まで飲まず食わず、お腹が空いた上くたくた、テンション上げてないと落ち込んでしまう。
だから無理やりにでも、テンションをあげるしかない
でもやっぱりしょうのない事を、考えてしまう
《これから良いことあるかな》
そんな事を考えつつ、歩き出す
少しして、オレンジが黒に近づいた時
どこからともなく、悲鳴のような声が聞こえた俺は、そこに向かいただ走り続けた
悲鳴のあった場所に着いた時には
もう辺りは、黒に覆われていた
《この辺りだったんだけどな》
「やめて、はなして下さい!」
「ゲヘヘ、小娘が調子にのるから俺様みたいな奴に目を付けられるんだよ」
目の前の大木の、反対側から声が聞こえた俺は急いで、見える位置にある近くの木の陰から覗く
男の持っている松明により、少女の姿が目に映った
少女の容姿は、あまりにもここに不似合いで、俺はびっくりしてしまう
頭についた可愛らしい猫耳、髪は月にすかせば綺麗に光そうな金色、目の色はテレビでみた異国の湖を彷彿とさせる澄んだ色、整った眉が下に下がっており、小さい鼻がちょこんと大きな目の間に鎮座している、唇はぷるんとしたピンク
ここまでの、美少女は見たことがなかった俺はひどく見とれてしまった
少女はすごく怯えているようで、嗜虐心をくすぐられるが、そんな事を言ってられない
「やめて、もうやめて下さい。お願いします。これ以上はもうお願いですから」
「オラッ」
ドスッと、音がする
《あいつ殴りやがった》
その瞬間、俺は頭に血が昇るのを感じる
冷静になれと、怒りだろう感情を押し殺す
「ゲヘヘ、テメエが悪いんだよ」
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