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《何が悪い、事情はわからないけど、許さん!》
でもどうしようもない、俺には奴を倒せるだけの力がない
この世界に来るまでの、俺だったら多分飛び出して奴に殴りかかってただろう、
でも、あの日辞める時に俺の自信は大きく削ぎ落とされている
だから仕方ない事だ、ここで見てる事しか出来ないと諦める
でも助けたい、そんな相反する気持ち
じゃあ今考えつく限りの事をしようと、腹をくくった俺は弱虫だろう
考えてからの、行動は速かった
未だに少女をいたぶる奴の近くに、石を、投げるこれが、俺の考えたこと
ただの、嫌がらせであり、諦めた俺が考えついたこと
(なんだ!)とか言いながら、そちらの方をチラッと見る
俺は《今だっ!》と、コソッと少女の後ろの木まで回る、足音は最小限に抑え、これももし隙が出来たら助けよう、とか考えていた
俺なりの考え
少女は、奴の声に萎縮しきっていたのだろう、聞こえてないよう
奴がまた少女の方を見て、殴ったりしだす、時折少女の泣き声が耳にさわる
俺は更なる、怒りを覚えるけども我慢
「ゲヘヘ、それじゃあそろそろ」
奴は、とうとう飽きたのか、少女の服を掴んで引きちぎった
少女の(嫌っ)という小さい声
俺の中で、何かがはじける音がした
石を奴の反対側にもう一度投げる
奴は一瞬そちらを向いた
その一瞬
俺は何も考えず駆け出す
すぐに男との間合いをつめて、何が起こっているか分からない奴の鼻先に一発
「ドスッ」
さすがに驚いた奴だが、まだよろめいて立っている
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