4人が本棚に入れています
本棚に追加
更に殴ろうとした、突然腹部に違和感を覚える
「痛ってえなあ、このガキ」
奴は手を前に出し、何かを放出した
「キャアッ」
少女の悲鳴が響く
腹部には、腕程もある氷が、刺さって血が出てた
俺は一瞬何が、起こったのか分からずに、「へっ?」と気の抜けた声を出し、その場で膠着してしまう
意識すればするほどに、痛みが増す
《痛ッテー、今何された?奴は手を向けてその後何かが手から、クソっ》
悪態をつきながらも、奴を見据える
立っていられるのは、後ろの少女がいるから
「おいっ、喋れよガキ!もう終わりか?」
「俺様の鼻を殴ったんだぞ、このまま…」
奴の声が、頭に響き何を言ってるのか分からない、もうしゃべる気力さえない
《悔しい、こんな所で俺は終わってしまうのか?それとも誰かヒーローよろしく、助けてくれるのか…
考えろ!何も出来ないのに飛び出したんだ、俺が倒れたらこのままでは少女はどうなる!》
ゆっくりと、奴は下品な笑みを浮かべこちらに歩き
目の前まできた
そしておもむろに、また手のひらをこちらに向け、何かを放つ
衝撃に襲われ、少女の前までよろめく
さっきと違い何か強い力で殴られたよう、奴はとことん俺をいたぶるつもりだ
「ゲヘヘ、まだ立ってんのかよガキ!さっきから黙って気味がわりぃ」
奴は、また手のひらをこちらに向ける
「ま、待って、…やめて下さい」
少女は、奴に向けてしゃべる、声は震え
ている、血を流しすぎたせいか聞こえづらくなっていた声が、はっきりと心に響いた
「なんだ?テメエは黙ってろ!!また殴られてえのか!?」
「ひっ」と小さな悲鳴をあげ、少女はしゃべらなくなってしまった
少女は、俺の為に怖がりながらも、言ってくれた
それだけで、十分だった
俺の意識は覚醒しすぐに構え、奴を殴る
最初のコメントを投稿しよう!