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この後、俺はただひたすらに奴を殴り続けた
奴が反撃できないよう執拗に、顔面をねらい続けた
それから、どれくらいたったか分からない
少女のもうやめてと言う声と、殴り続けていた手を、両手で抱えるように抑えられた時に俺は正気に戻った
「ごめん、もう無理」
その言葉を吐いて、俺は出血により意識を失った
《あれだけ殴ればしばらくは立てないだろうから、大丈夫》
最後にそんな事を思い俺は眠りにつく
少女は今、起きた事が信じられなかった
変な男にここまで連れてこられ、挙げ句の果てには、殴られ、襲われそうになっていた
それを、いきなり現れた青年が男に殴りかかって、返り討ちにあって、それでその青年が、男のアイスニードルによって瀕死になっていた
なのに、結果を見れば、あの後青年がなにかを決意したような顔をして男を殴り続け倒してしまった
それに、青年の傷は見る間に塞がっていってる
このままでは行けないと思った少女は、青年を肩に寄りかかるようにしながらどこかも分からない森を、歩きだした
どことも知れない森を、ただひたすらに
夜のとばりが落ち、肌寒くなってきたのを後目に
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