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「じゃあね」
そう言って一気に教室を出て……行くつもりだった。
でもできなかった。
竜哉に腕を掴まれてしまったから。
教室から出るどころか一歩も動けなかった。
ゆっくりと振り返る。
竜哉が意味ありげに微かに笑っていた。
「腕……離してよ」
震える声を振り絞って言う。
でも竜哉は手を緩める素振りさえ見せない。
「離してってば!」
今度は強く言って掴まれた腕をバタつかせた。
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