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「竜哉……」
そこには竜哉がいた。
黒板近くの窓の所に立っていてこちらをまっすぐ見ている。
鼓動が高鳴る。
「―――何してるの?まだ帰ってなかったんだ」
空気が重い。
堪え切れず無駄に明るめに話しかける。
自分でも声がうわずっているのが分かる。
もたない間を隠すかのように意味もなく鞄の中を確認するフリをする。
いっこうに返ってこない返事。
竜哉はこちらをまっすぐ見たまま。
より早く打つ鼓動と緊張のせいか微かに震える指先。
息をするのも苦しく感じた。
……もう無理!
帰ろうと鞄に手をかけた。
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