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官邸内の小ホールのような部屋に通された一同は、しばらく待たされた。
部屋には、立食パーティーの準備がされていた。
やがてドアが開き、南部と、秘書の阿形が入って来た。
南部は、陽気に声をかけた。
「お待たせ。レディを待たせるとは、信義に反するのだが、ま、許してほしい。」
瀬織が、頭を下げた。
「お招きありがとうございます。
遅まきながら、総理就任、おめでとうございます。」
「いやー、久しぶりだねえ。右道さん。
後から、米本さんもくるよ。」
瀬織の顔が曇った。
「米本議員が?」
南部は、小声で、瀬織に苦笑して見せた。
「そういうな。総理になって初めて知ったよ。まさか米本議員が、君の…
これは、チームのメンバーにも知らせてないんだったな…」
瀬織は、いささか憮然とした顔で
「別に教えても差し支えはないのですが、個人的に線を引いているだけです。」
米本議員といえば、ここにいる誰もが知る美人過ぎる50歳くらいの中年女性議員で、時折、過激なことを主張するので、人気がある。
南部は、声を元に戻した。
「ま、今日は無理言って悪かった。
君のチームを紹介してくれないか?」
瀬織は、先ずはモヤシを手のひらで示した。
「副室長の、板垣。コードネームはモヤシ、事務処理は彼に任せてます。
事務も優秀ですが、戦闘、諜報、一通りこなすスキルがあります。
そのサポートが、角丸。メガネです。
合気道だけは、天才的。」
メガネは会釈した。
瀬織は、ハカセの肩に手を置いた。
「研究に関しては、この兵外留 華恋(ヘーゲル カレン)通称ハカセが一手に担ってます。特技は、その天才の頭脳。」
ハカセは、優雅に一礼した。
南部も目を細めた。
「これはまた可愛らしい。」
瀬織は、ドジコの方を差す。
「事務、総務全般をしている東雲です。
コードネームは、ドジコ。
特技は短期の不定期な予知です。」
そして、最後に、陣平の肩を押して、前に連れてきた。
「これが、3代目、右道陣平、コードネーム、ヘンタ。東雲は彼の連れ合いの1人です。
子作りが終われば、仙人になる予定です。完全な仙人にはなれないかも知れませんが…」
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