1・夕食会

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官邸内の小ホールのような部屋に通された一同は、しばらく待たされた。 部屋には、立食パーティーの準備がされていた。 やがてドアが開き、南部と、秘書の阿形が入って来た。 南部は、陽気に声をかけた。 「お待たせ。レディを待たせるとは、信義に反するのだが、ま、許してほしい。」 瀬織が、頭を下げた。 「お招きありがとうございます。 遅まきながら、総理就任、おめでとうございます。」 「いやー、久しぶりだねえ。右道さん。 後から、米本さんもくるよ。」 瀬織の顔が曇った。 「米本議員が?」 南部は、小声で、瀬織に苦笑して見せた。 「そういうな。総理になって初めて知ったよ。まさか米本議員が、君の… これは、チームのメンバーにも知らせてないんだったな…」 瀬織は、いささか憮然とした顔で 「別に教えても差し支えはないのですが、個人的に線を引いているだけです。」 米本議員といえば、ここにいる誰もが知る美人過ぎる50歳くらいの中年女性議員で、時折、過激なことを主張するので、人気がある。 南部は、声を元に戻した。 「ま、今日は無理言って悪かった。 君のチームを紹介してくれないか?」 瀬織は、先ずはモヤシを手のひらで示した。 「副室長の、板垣。コードネームはモヤシ、事務処理は彼に任せてます。 事務も優秀ですが、戦闘、諜報、一通りこなすスキルがあります。 そのサポートが、角丸。メガネです。 合気道だけは、天才的。」 メガネは会釈した。 瀬織は、ハカセの肩に手を置いた。 「研究に関しては、この兵外留 華恋(ヘーゲル カレン)通称ハカセが一手に担ってます。特技は、その天才の頭脳。」 ハカセは、優雅に一礼した。 南部も目を細めた。 「これはまた可愛らしい。」 瀬織は、ドジコの方を差す。 「事務、総務全般をしている東雲です。 コードネームは、ドジコ。 特技は短期の不定期な予知です。」 そして、最後に、陣平の肩を押して、前に連れてきた。 「これが、3代目、右道陣平、コードネーム、ヘンタ。東雲は彼の連れ合いの1人です。 子作りが終われば、仙人になる予定です。完全な仙人にはなれないかも知れませんが…」
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