1・夕食会

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室内の一同が、 「うおっ?」 「はい?」 などと、思わず声を漏らした。 どう見ても、20歳前後の若さの米本議員が入って来た。 そのくせ、かなりの薄化粧である。 化粧テクニックによるごまかしではない、ということだ。 体のラインが出るスカートと、胸の開いたブラウスに、ジャケットを着けている。 和風美人だ。 瀬織には及ばないが、かなりのスタイルのよさが、明らかだ。 「あははは、 ちょっと若作りが過ぎたかしら。 今日は、若い人が多いので、私も…」 米本議員は、笑って、輪の中に入って来た。 陣平は、瀬織にささやいた。 「米本議員て、もしかして…」 瀬織は、 「そ、それはまた、後で。」 と、抑えた。 南部は、気を取り直した。 「今日の本題に入ろうか。」 陣平は、そら来た、と、覚悟した。 南部が、酒の入った新しいグラスを取りながら、 「右道さん達には、攻勢の役割も持ってもらう。」 瀬織は、やはり、と思う。 南部はグラスに口をつけた。 「ん、ま、近々、防衛大臣をすげ替える。 米本さんに頼む。」 瀬織は、危険を感じた。 「あまり過激にならないといいですわね、米本議員?」 嫌みを言う。 米本は聞き流した。 「では、ここからワタクシが説明しましょう。 中丹国と、エベルキン大国の反日意識の増大に伴い、一般には知らされていない侵略意図の活動も激しくなってきました。 そこで、非核非軍隊の日本としては、抑止力のアピールが必要になります。 メリアン合衆国との同盟関係の強化もそうですが、それだけでは不足です。 以前にも瀬織さんの能力をわざと誇示することで、不可侵の国家戦力をアピールしたことがあります。」 陣平は、おおよそ、考え付いていた話しを、聞かされている。 米本は、腰に手を当てた。 陣平は、 (どこか姉さんに似てるな。) と、感じた。
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