1・夕食会

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瀬織は、 「と、言うことは、空飛べるわね。」 と、前にも言っていた飛翔能力にこだわった。 「可能だな。空に自分を固定すればいいだけのことだ。空は飛べないという観念が邪魔してできないのだろう。」 ハカセは、陣平に向き直り、ガシッと手を握った。 「お前ならできる。 いいか?背中や足に、それ用の機械を着けたら、ヤルンダーJは、海の上も走るし、空も飛ぶ。 だから、お前ならできる。常識を捨てろ。」 陣平は、やたらと力説するハカセが、不思議だった。 「なんで、そこまで空にこだわるのさ?」 ハカセは、顔を背けた。 「お前、今度は海の上で戦うのだろう? 泳いで戦うのか?」 「あ…」 「泳いでいるところに、対戦車砲でも射たれたら、けっこう、ヤバイだろうが。」 陣平は想像した。 「船から降りないで、戦えば…」 「手段が、近接攻撃しかないのにか? 大体、貴様ときたら、なんだ!」 ハカセは、怒り出した。 「は、はい?」 「この前から腕は切られる、ヘド吐いて倒れる、 まったく成長しとらん! アネサンに会った頃と変わらないではないか?自爆バカが!」 「あ、はい。」 陣平は、痛いところを突かれた。 ハカセは、瀬織に、 「アネサン、今夜泊めてくれるか? このバカちんの、意識の壁を壊す。」 瀬織は、ニヤニヤした。 「いいけど、どうやって?」 「催眠暗示で、常識の壁を取り払う。 あまり、そういうのは得意ではないが、やらないよりましだろう。」 米本が、口を出した。 「そういうことなら、私が行きましょう。」 瀬織は、ギクリとした。 米本は、意識操作が得意だ。 瀬織は、ひきつりながら、 「では、お願い申し上げますわ。」 と、了承した。
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