年が明ける

2/8
前へ
/36ページ
次へ
明日は大晦日。 そのため今日は実家に帰っている。 電車に揺られながら、約二時間。 駅に着くと、妹夫婦と姪っ子が出迎えてくれた。 「お姉ちゃん、おかえり~」 私の三つしたの妹、相沢なみはもうすぐ二歳になる子供がいる。 なみの旦那さんが車を運転してくれていた。 久しぶりに会うため、話しはあれこれと弾んだ。 「ところでお姉ちゃん、彼氏はいつ連れてくるわけ?」 やっぱりきたか、その質問…。 私は窓の外を見ながら話した。 「…別れた」 「はぁ?何それ!お姉ちゃんやばくない?」 はぁぁ…。この件に関しては何も答えたくないんだけど…。だれかなみを止めて。 「なみ。そう言うなよ」 旦那さん、ナイスフォロー。 「だってお姉ちゃん、25歳なんだよ!今別れてどうすんの?」 それでもおしゃべりが止まらないなみに、帰ってきて早々疲れた…。 実家に着くと、お母さんは笑顔で出迎えてくれた。 正直、やっぱり落ち着く。 見慣れた景色に、食べ慣れた味付けの料理。 ホッとする空気。 体は自然と覚えている。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1633人が本棚に入れています
本棚に追加