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私の目から、ポロッと雫がこぼれ落ちる。
慌て手で拭った。
「ヤバい…。自覚したら、泣けてきた…」
私、…社長が好き。
社長に会いたい。
声が聞きたい。
なるって呼んで。
笑顔を見せて。
たぶん、この想いはずっと前からあったんだと思う。
「私、気づくの遅いよ…」
苦しくなる胸に手を押さえた。
社長がいない仕事に慣れちゃうなんて嘘。
ホントはずっと、頭から社長が消えることなんてなかったくせに。
社長が帰ってきたら、ちゃんと伝えよう。
大好きだって、自分から伝えなきゃ。
お願いだから、はやく、帰ってきて。
私は、また一人になったこの最上階で、苦しい胸を押さえながらカウンターへ戻っていった。
その日以来、気づいてしまった気持ちが次から次へと溢れだし、社長のことを考えると、切なくなるばっかりだった。
社長に会えたときのために、自分の気持ちを整理したり、どう伝えようか考えたりするんだけど…。
私、うまく伝えられるかな…。
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