知ってる

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専務が私に優しく笑った。 「相沢さん、うれしそうですね」 その言葉に、おもいっきり顔を赤らめる。 きっと専務のことだから、私の態度、バレバレかなぁ…。 「それじゃ、よろしくお願いしますね」 専務がエレベーターに乗っていった。 専務を見送った後、私は両手を上げて喜んでいた。 「やったぁぁぁ!」 社長に会える! やっと会える! こんなにうれしいなんて…どうしよう。 想いが込み上げて、自分の気持ちをうまくコントロールできない。 と、とりあえず、一回座って落ち着かなきゃ。 ふぅっと一息はいて、カウンターに座った。 時計をチラッと見た。 何時に着くのかな? 午後には戻ってくる? あまり浮かれすぎちゃダメ。ちゃんと仕事はやらなくちゃ! そう思いながらも、午前中は数えきれないほど何度も時計を確認する私だった。 お昼はいつもの社員食堂へ。 幸恵を見つけて、正面に座った。 「なる、なんか今日はいい顔してるわね」 「うん。わかる?」 幸恵が小声で聞いてきた。 「…社長ね?」
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