知ってる

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私はちょっと照れながら答えた。 「今日、帰ってくるんだって」 「そうなんだ。やっと会えるね!よかったじゃない!」 「うん!」 幸恵には、最近よくお昼にここで会えていたので、私の社長の気持ちを教えたり、どんなふうに伝えたらいいか相談していた。 「じゃあ、今日ちゃんと伝えなきゃダメよ!おもいっきり正面からぶつかっていけば大丈夫!」 もう、幸恵はいつも直球なんだからぁ。 ある意味尊敬してるけど。 食事を終えた後、幸恵と別れてまた自分の持ち場の最上階へ。 ああ、もう社長は空港に着いてるかなぁ? …もうすぐ会えるんだ。 社長のことを想い、また胸の奥がギュウッと苦しくなった。 午後もしょっちゅう時計を見ては、ドキドキするの繰り返しだった。 まだかなぁ、まだかなぁ、なんてしてると、時間の流れはすごく遅く感じる。 だれかを待つというのは、そういうものなのかもしれない。 時計が3時すぎたのを見て、ため息が出た。 …ああ、ため息なんてついちゃダメダメ! 今までに比べたら、これぐらいの時間、なんともないよ!
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