1633人が本棚に入れています
本棚に追加
私はちょっと照れながら答えた。
「今日、帰ってくるんだって」
「そうなんだ。やっと会えるね!よかったじゃない!」
「うん!」
幸恵には、最近よくお昼にここで会えていたので、私の社長の気持ちを教えたり、どんなふうに伝えたらいいか相談していた。
「じゃあ、今日ちゃんと伝えなきゃダメよ!おもいっきり正面からぶつかっていけば大丈夫!」
もう、幸恵はいつも直球なんだからぁ。
ある意味尊敬してるけど。
食事を終えた後、幸恵と別れてまた自分の持ち場の最上階へ。
ああ、もう社長は空港に着いてるかなぁ?
…もうすぐ会えるんだ。
社長のことを想い、また胸の奥がギュウッと苦しくなった。
午後もしょっちゅう時計を見ては、ドキドキするの繰り返しだった。
まだかなぁ、まだかなぁ、なんてしてると、時間の流れはすごく遅く感じる。
だれかを待つというのは、そういうものなのかもしれない。
時計が3時すぎたのを見て、ため息が出た。
…ああ、ため息なんてついちゃダメダメ!
今までに比べたら、これぐらいの時間、なんともないよ!
最初のコメントを投稿しよう!