知ってる

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私は社長を見つめた。 「社長が…、好きです…」 社長がまた私に顔を近づけてきた。 「知ってる」 そう言って、唇が重なる。 優しい社長の唇がうれしくて、思わず自分から社長の背中へ手を回した。 社長もそれを受けとめ、私の腰に手が回る。 こんなに、しあわせを感じてしまっていいんだろうか…。 しばらく唇を重ねていた。 そして、ゆっくり社長が離れる。 かと思うと、今度は私を社長の胸の中へ。 ギュッて抱き締めてくれた。 社長の胸の中は、すごくあったかい。 ずっと、こうしていたくなる。 私が、そうやって社長の胸の中で甘えていると、社長は左手をあげて腕時計を見た。 あ…、そうだ…。もう遅いんだった。 社長も出張から帰ったばかりだし、迷惑になる前に、…私、そろそろ帰ったほうがいいよね…? ホントはもう少し一緒にいたいけど…。 私は、腰に回ってる社長の右腕をほどいた。 社長が私を見つめた。 「あの、社長。…私そろそろ帰ります。もう、遅いし、…社長もゆっくり休まないと」 そう言って社長から離れた。
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