1633人が本棚に入れています
本棚に追加
一礼して、社長の脇を通りすぎようとしとき、
ガシッ
っと腕を社長に捕まれた。
えっ!?何?
私は社長のほうを振り返った。
「なる、おまえまさか、自分の家に帰るつもりなのか?」
「あ、…はい…?」
それが、…何?
「俺と、一緒にいたくないのか?」
その社長の言葉に、顔が勢いよく熱くなる。
「え!?…え!?」
そんな…、そんな…、私、どうすればいい!?
私の気持ちを知ってか知らずか、話をどんどん進めていく社長。
「俺の家に来い」
しゃ、社長の家!?
ちょっと待って!いくらなんでも急すぎる…。なんて言えばいいの?
「……嫌か?」
私は一人で焦りながら社長の顔をチラッと見てみると、なんだか寂しそうな表情をしていた。
あ…、やだ…社長がそんな顔しないでよ…。
「い、嫌じゃないです!…むしろそう言ってもらえて、うれしいし、……あの…」
私が慌て言ったその言葉に、社長がさっき見せていた寂しそうな表情は一変、ニヤリと笑った。
「そうか。なら決まりだ」
え…?ええ!?
社長、それは、…ズルいと思います!
最初のコメントを投稿しよう!