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社長が、私に家に入るよう促した。
でも、なんかはっきりしないし曖昧で、私はどうしていいかわからずその場に立っていた。
社長が私の顔を覗きこむ。
「俺にまだいたずらされたいか?」
え!?
それを聞いて顔を真っ赤にしながら、左右に首を振った。
「社長も、はやく車に乗ってください。風邪ひいちゃいます」
「ああ。おまえが部屋に入ったら帰るよ」
まただ。
胸の中がモヤモヤしはじめる。
あ~、ダメダメ!考えるのは後にしなきゃ。
私は社長から離れて、自分の部屋に向かって歩きだした。
すごく、後ろが気になる。
何歩か歩いたところで、私は振り返った。
「社長、…おやすみなさい」
社長はその言葉に、ニッコリ笑ってくれた。
「おやすみ」
社長の声を聞いて、私はまた自分の部屋へ向かう。
玄関の鍵を開けて、中へ入った。
そして、バタンとドアを閉めた。
「ふぅ…」
一息ついて、その場にしゃがみこんだ。
そのままドアに寄っ掛かり、目を閉じる。
まさか、こんなイブを過ごすなんて…。
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