1657人が本棚に入れています
本棚に追加
悠哉が優しい目をして笑ってくれた。
「いいよ。なるに任せる」
良かったぁ。何がいいかな?
あちこちいろんな花を見てると、目移りしてしまう。
でも、なんか悠哉のイメージって、これかなぁ。
私が手に持ってるものを見て、悠哉が聞いてきた。
「これは何?」
「カトレアです。蘭の一種。高貴なかんじと紅紫の色が、悠哉っぽい気がして…。どうですか?」
悠哉がクスッと笑う。
「俺って高貴に見えるか?」
「い、いいんです!細かいことは気にしないでください。私、これ買ってきますね」
「あ、おい。俺がだす」
「いいです!これは私が!」
悠哉が首を傾げた。
「私が、悠哉に贈りたいんです。…恋人に初めて贈るものが花って、なんか素敵じゃないですか?」
私はカトレアを見てニンマリ笑った。
すると、悠哉の手が私の頬に触れた。
「なる、おまえいい女だな」
悠哉が微笑む。
私の顔は一気に沸騰した。
「私、買ってきます!」
そう言って、その場から離れた。
最初のコメントを投稿しよう!