初デート

7/14
前へ
/37ページ
次へ
悠哉が優しい目をして笑ってくれた。 「いいよ。なるに任せる」 良かったぁ。何がいいかな? あちこちいろんな花を見てると、目移りしてしまう。 でも、なんか悠哉のイメージって、これかなぁ。 私が手に持ってるものを見て、悠哉が聞いてきた。 「これは何?」 「カトレアです。蘭の一種。高貴なかんじと紅紫の色が、悠哉っぽい気がして…。どうですか?」 悠哉がクスッと笑う。 「俺って高貴に見えるか?」 「い、いいんです!細かいことは気にしないでください。私、これ買ってきますね」 「あ、おい。俺がだす」 「いいです!これは私が!」 悠哉が首を傾げた。 「私が、悠哉に贈りたいんです。…恋人に初めて贈るものが花って、なんか素敵じゃないですか?」 私はカトレアを見てニンマリ笑った。 すると、悠哉の手が私の頬に触れた。 「なる、おまえいい女だな」 悠哉が微笑む。 私の顔は一気に沸騰した。 「私、買ってきます!」 そう言って、その場から離れた。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1657人が本棚に入れています
本棚に追加