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いつからそこにいたんだろう?
目が合うと悠哉が笑う。
「いいにおいがする。…できたのか?」
やだ…、なんか、すごい緊張してくるのはなぜ?
初めて手料理食べてもらうときって、こんなに緊張するんだっけ?
「今、運びますね」
悠哉のキッチンには4人掛けのダイニングテーブルがある。
そこへ盛り付けした料理を並べた。
悠哉がカウンターからテーブルへと座り直した。
私も並び終え、悠哉の正面に座った。
ああ、どうしよう…。また緊張しなきゃいけなくなるとは…。
悠哉が手を揃えて、私を見てニヤリと笑う。
「いただきます」
「は、はい。…私も、いただきます」
私は箸を持つも、悠哉の反応が気になり、第一声を待った。
悠哉が味噌汁を飲んだ。
ドキドキ。ドキドキ。
「ん、ちょうどいい」
……ホント?
「…おお。意外と上手いじゃないか…」
私の魂胆を思い出したかのようにしゃべる悠哉。
「…悠哉…、それ、棒読みです」
「アハハ!」
もう!一生懸命作ったのに!
私はぶすくれて悠哉を見ていた。
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