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今日から久しぶりに日常の仕事に戻ります。
悠哉が出張から帰ってきて、初めての出勤の日。
私はなんだか朝から慌ただしかった。
できれば、大好きな人にはかわいく映っていたい。
恋をしている女性なら、きっとみんな同じ気持ちになるはず。
丁寧に支度をしていると、時間が進むのはあっという間だった。
急いで家を飛び出し、電車で会社へ向かう。
ああ、せっかく丁寧に髪の毛を整えても、これだけ走れば意味がない…。
明日からは目覚ましの時間をはやくしておこう。
会社に入り、私は自分の持ち場で悠哉が出勤してくるのを待っていた。
こんなに清々しい気持ちで悠哉を待つのは初めてかも。
ふぅっと一息はいた。
あ、私コーヒーの用意したっけか?
給湯室のほうへ振り返り、歩き出すと、エレベーターが開くのがわかった。
見てみると、悠哉が降りてきて、パッと私と目が合った。
私は慌ててカウンターの前へ戻り、悠哉に一礼した。
「社長。おはようございます」
私の心臓が、微かに鳴り出す。
それでも、自然と私の口角はあがった。
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