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「どうかしたか?」
悠哉の声にハッとした。
「あ、いえ…、メモ預かります」
「ああ、よろしく」
そう言うと、悠哉はまた社長室へと戻っていった。
悠哉の後ろ姿を見送ったあと、カウンターにまた座り手帳へと書き込みした。
…今週は悠哉とゆっくり過ごす時間なんて、なさそうかも。
…っていうか、悠哉に土日休みなんて今まであったっけ?
慌てて手帳をめくった。
手帳を確認すると、さっきまでのざわつきが確信へと迫る。
月に2、3回休みがあれば、いいほうかもしれない…。
私、悠哉がすごく忙しいってわかってたよね?
わかってたつもり、でいただけだった?
…悠哉が休みになるまで、私、悠哉に触れてもらえないの?
このとき、胸の奥にさみしいという感情が生まれはじめていることに、私はまだ気づかないでいた。
…イヤイヤ、自分から我慢できるって言い出してまだ2、3日しか経ってないのに、早すぎるでしょう。
大丈夫。今週ダメでも、少し我慢すればいいだけだしね。
何より毎日好きな人に会えてるんだから、今はそれで充分だよ。
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