1573人が本棚に入れています
本棚に追加
「おはよう」
悠哉も笑顔で挨拶してくれた。
その表情を見て、私もますます笑顔になった。
悠哉が私の前で立ち止まる。
「なる、今までで一番いい挨拶だな」
そう言って少しかがみ、私の顔を覗く悠哉。
私の頬は徐々に熱くなっていく。
目を合わせてるのが恥ずかしくなり、パッと反らした。
それがいけなかったのか、ここが会社だというのにもかかわらず、悠哉は私の腰に手を回し抱き締めてきた。
「ちょっと、悠哉!ここ会社です!…離して!」
ジタバタ暴れてるのに、悠哉はいつも冷静。
「…目を反らすおまえが悪い」
…そんなこと言われても。
…おとなしくしてれば、離してくれる?
ちょっと黙ってそのまま抱き締められていると、悠哉は上のスーツの背中の中へと手を滑らせた。
ちょっと!ホントダメだって!
「悠哉ってば!」
悠哉は聞く耳をもたず、やりたい放題。
はやくなんとかしないと!今日は悠哉、久しぶりの出勤なんだよ。
絶対あの人が来る!
そろそろ来るって!
悠哉の背中越しに、エレベーターが開いたのが見えた。
最初のコメントを投稿しよう!