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そう言って専務がまたもや私にニッコリ微笑んだ。
「どうやら、効果覿面だったみたいですね」
そして社長室へと歩いて行った。
…き、危険だ!!
もしかしたら、悠哉より危険かも…!
その場に立ち尽くし、思わず口を自分の手で押さえてしまった。
私、まんまと専務のトラップにはまっちゃった…?
いや、たしかにこの出張っていう会えない時間で、悠哉が大好きなんだって気づけたんだけど…。
専務のメガネの奥に、もう一つの性格が垣間見えた気がするのは私だけ?
私はその場で誓った。
…専務を、敵に回してはいけない!
その後の悠哉は、どんどん予定が入り込み、今まで以上の忙しさだった。
最近まで埋まることがなかった私の手帳は、あっという間に入り乱れる。
私は、カウンターで電話対応やら予定の確認でいっぱいいっぱいになってると、専務が社長室からでてきた。
「相沢さん、これ社長からです。また予定が入ってしまったみたいで」
「あ、はい」
専務からメモを受け取り、手帳の中を確認しながら書き込もうとした。
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