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「あ…、重なってる…」
これは急いで悠哉に伝えないと。
手帳から顔をあげると、専務と目があった。
「重なっちゃいましたか。…それじゃ、社長に伝えておいてくださいね。私は、一旦、下に戻りますので」
「あ、はい」
そう返事すると、専務は下へと戻っていった。
私はすぐ社長室へ。
社長室のドアをノックした。
コン、コン。
「はい」
「社長、今いいですか?」
「入れ」
「はい。失礼します」
ドアを開けて中へ入ると、悠哉はデスクにいた。
顔を上げる悠哉。
「社長…」
「なる、ちょうどいいところに来た。こっち来い」
ん?何?
私は言われるまま、悠哉のデスク前まで歩いていった。
「どうかしましたか?」
「こっち」
そう言って隣へ来いと手で促された。
悠哉が座ってる隣まで行くと、悠哉はいきなり立ち上がって私に抱きついてきた。
「し、社長!?」
ちょっと待って…、こんなに頻繁に抱き締められたら、いつどこで誰に見られるかわからないじゃん!
「ふぅ…。少し、休ませろ」
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