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「あ、…あはは…、大丈夫です」
なんとか笑って誤魔化しながら、手と膝をついたまま答えた。
すると悠哉が近づいてきて、私の腕を持ち上げ立たせてくれた。
「平気か?」
顔を覗くと、なんだかクスクス笑ってる?
…もう、誰のせいだと思ってるの。
「はい、大丈夫です」
そう答えると、悠哉は高野課長を見た。
「で、高野は何の用だ?」
「あ、はい。社長が出張中にファイルを使わせて頂いたので、お返しに。あと次の取引の件で、会議を設けたいと思いまして…」
「そうか。んじゃ座れ」
悠哉と高野課長はソファーに座り、予定を組はじめた。
私はまだ悠哉に予定が重なってしまったことを伝えてなかったので、悠哉の座ってる少し後ろに立ち、手帳を広げ、会議の日も確認しようと二人の会話を聞いていた。
「会議なんですが、明後日は空いてませんか?」
「何時?」
「いつでも構わないんですが…」
「ああ、んじゃ午後にするか…、3時くらいならいいか?」
それを聞いて私は悠哉にストップをかけた。
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