嫉妬と独占欲

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いつまでも忙しい悠哉に、なかなか切り出せずにいた私は、決心していた。 今日は金曜日。 今のところ、悠哉は明日、何の仕事の予定も入っていない。 しかも今日の午後、珍しく悠哉に5時以降からの予定も入っていなかった。 絶対今日こそは、ちゃんと言わなきゃ! このまま予定が入らないことを祈りながら、私はカウンターで仕事していた。 なんだか普段よりも落ち着いた金曜日に思えた。 もうすぐお昼だと思っていたとき、カウンターにある電話が鳴り出す。 ルルルルル、ルルルルル… 「はい、社長室前の相沢です」 電話に出ると、それは一階の受付からだった。 「相沢さん、社長はいらっしゃいますか?今受付に、本城グループの方がお見えになってます。特に社長に来ることを連絡していないようなのですが、今大丈夫でしょうか?」 「社長は今部屋にいらっしゃいます。大丈夫か、確認してきますね」 そう言って、一度受話器をおろし、悠哉のところへ急いで向かった。 ドアをノックして、私は悠哉に声をかけた。 「社長、今よろしいですか?」 「入れ」 「失礼します」
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