サンタクロースvs少女

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あたしは失恋した。 クリスマスの日に初恋をしてクリスマスの日にその恋は終結を迎えた。 甘く切ないクリスマスの記憶。 大人になるにつれてその記憶は薄くなってきていた。 あたしの予想通り、この年以来サンタクロースは見えなくなった。 それから月日は流れ、あたしは二十歳になった。 子供から大人へ、少女から女性へと変わった。 *** 「今日はクリスマスか……」 バイト帰りのあたしはイルミネーションが煌びやかにされている公園に立ち寄っていた。 今年もやってきた。 クリスマス。 「……クロスさん元気にしてるかな」 ふとクロスさんの事を思い出した。 クロスさんに会いたい為に体を鍛えていた。 勿論今も鍛えている。 微かな望みを抱いて……。 「元気だよ」 聞き覚えのある懐かしい声が聞こえた。 「!? 誰?」 あたしはキョロキョロと辺りを見渡す。 「僕だよ、クロス」 そこには一人の男がいた。 この面影……。 間違いない。 クロスさんだ! 「嘘……でしょ?」 まさかこんなとこで会えるなんて……。 夜中でもないのに……。
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