サンタクロースvs少女

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「嘘なもんか。 正真正銘クロスだ。 あ、トナカイがいないからわからないか?」 頭をかいて照れ臭そうにするクロスさん。 「いや……。 そういう問題じゃなくって……」 トナイカイの問題じゃないような気がす……。 「どうして見えなくなった俺が見えるか不思議なんだろ?」 ニヤニヤと笑いながら悪戯っぽくクロスさんは言う。 「何だ。 わかってるじゃない」 どうやらクロスさんはあたしが聞きたかった事、わかってたみたい。 「でもタダじゃ教えられないな」 チッチッチとクロスさんは右手の人差し指を左右に動かした。 「ケチ」 あたしは膨れてみせる。 「ケチなもんか。 知りたいなら俺を倒せ。 等価交換だ」 あたしの言葉にクロスさんは反撃。 何が等価交換よ……。 「それはサンタの袋を見る条件でしょ?」 そう。 確か袋を見る条件としてクロスさんがどさくさにまぎれてだした条件だ。 「サンタの心を見たければ倒せ」 臭い事を平気で言うクロスさん。 こいいうとこ、変わってないな。 「上手い事言って。 アンタはマゾか!」 ツッコミと同時にあたしはクロスさんを背負い投げする。 「あう!」 ビタンと激しくクロスさんは地面に叩きつけられた。
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