サンタクロースvs少女

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キタ。 今年もやってきた。 あたしの名前は伊集院 麗華(いじゅういん れいか)。 高校一年生。 高校一年生になってもあたしはサンタクロースを信じている。 なぜなら……。 「どりゃー!」 寝静まる部屋の中あたしの気合の入った声がこだまする。 「甘い!」 あたしのとび蹴りを男はかわす。 「ふ」 あたしは不敵な笑みを浮かべる。 「げげ!」 男がよけた場所にあたしは先回り。 そして……。 「うりゃ!」 カウンターパンチ。 「うぎゃ!」 男の顔に命中する。 「やった!」 あたしは大喜び。 「イテテ。 強くなったね、麗華ちゃん」 男は顔上げ立ち上がる。 「げ。 立ちあがった」 立ちあがった男を見て思わずたじろぐ。 「あのね。 サンタがそう簡単にやられるわけにはいかないの」 男は落ちた赤い帽子を拾い上げた。 そう。 この男の正体は『サンタクロース』。 赤い服に赤い帽子、大きな袋に白いひげにまゆげ。 でも白いひげはつけひげで、まゆげも付けまゆげでこれを外すと中々のイケメンだったりする。 あたしはサンタと戦う為に、体を鍛えてる。 「どうしてサンタがそんなに強いのよ!」 負けて悔しいあたしはサンタに怒鳴る。
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