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「んー。
そういう手があったか」
ポンとサンタクロースは手を叩いた。
「と言う事で……」
サンタクロースが油断したすきにあたしは袋に手を伸ばす。
「やっぱ、ダメ!
どうしても見たいなら僕に勝て!」
我に返ったサンタクロースが袋を守る。
「わかったよ!
てい!」
サンタクロースの言葉が終わると同時にあたしはサンタクロースに背負い投げをかます。
「イテ!
子供のくせになんて力してるんだよ」
背中をさすりながらサンタクロースはムクリと立ち上がった。
「あたし柔道習ってるから」
あたしは腕組みをし自慢する。
「ふむ。
でもそれくらいじゃ僕に勝てないね。
僕に勝ちたいなら来年までに体を鍛えておくんだな」
そう言ってサンタクロースはあっという間に外にあるソリにのった。
「逃げるの?
ヒキョー!」
窓を開けあたしは叫ぶ。
「わりぃな。
サンタは忙しいんだよ。
じゃあな。
おしゃまな女の子」
トナカイに乗ってサンタクロースは颯爽と去って行った。
――……
あれから毎年毎年戦いを挑んだけど、結果は惨敗。
毎年勝てない。
……――
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