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「あたし、毎年アンタに会うの楽しみにしてるんだから」
そう……。
気付いたら袋の中身よりサンタクロースに会うのが目的になってた……。
「ほう。
それは初耳だな」
興味深そうにサンタクロースはあたしを見ている。
「サンタは人間じゃない。
そんなのわかってるよ。
でもホレちゃったんだから仕方ないじゃない」
真っ直ぐにサンタクロースを見てあたしは告白する。
あたしの初恋は……。
サンタクロース。
そして今日その思いを打ち明けた。
「ストレートだな」
あたしの言葉にサンタクロースは目を丸くする。
「袋が見たいなんてただの口実よ。
ホントはアンタに会いたかっただけなの」
本心があたしの口から出る。
興味が袋からサンタクロース本に変わってしまったのだ。
「こんなおっさん好きになったら後悔するよ?」
ポリポリとサンタクロースは頭をかいて困惑する。
「そんな事関係ないモン」
おっさんだなんて……。
見た目は到底おっさんには見えない。
愛に年齢何が関係ない……。
「な、泣くな。
泣き顔には弱いんだよ……」
あたしの目から涙があふれかえり、サンタクロースはおろおろしている。
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