7人が本棚に入れています
本棚に追加
「それ持って、奥へ行こう」
「分かった」
父親は一度、授業参観で姿を見た事があった。
その時も、素敵な人だなーと思っていたが、近くで見ると、少しばかり雰囲気が変わっていた。
この部屋は、ブランデーの香りが充満していた。テーブルを見るとロックグラスと、酒のボトルがのっていた。
あの時が陽ならば、今は陰のような、独特な陶酔状態だった。
「よう! るい、待ってたぜ。お帰り」
焦点が、揺ら揺らしている眼が僕を捕らえた。
「こいつ、神谷って言うんだ」
「初めまして、神谷です・・・・・・授業参観では、カッコイイ、素敵なお父さんだなーって、思ってました。
るいも美男子ですけど、お父さんもですよね!」
最初のコメントを投稿しよう!