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「では、やはり当初の予定通り貴女をお迎えにあがり、手伝うべきでしたね」
「?…なにをです?」
「貴女の、その魅力的なお体を飾る手伝いです」
周りに聞こえないように耳許でそのようなことを囁かれ、エリザベスは耳まで真っ赤になった。
思わず顔をあげると、優しい微笑みをたたえた瞳とぶつかってしまい、彼女はなにも言えなくなった。
「そのドレス、とてもお似合いです。
…それから、そのネックレスも」
ヴァレリアンがはにかむような笑顔を浮かべた。
ヴァレリアンから贈られたネックレスは、つい先日受け取ったばかりのものだ。
婚約が決まってからふたりでデザインを考え、造ってもらったもの。
とはいえ細かい飾りのものだったから、結婚式に間に合えばいいというほどにしか思っていなかった。
だからヴァレリアンにプレゼントされた時は驚いたものだ。
仕事が速く、そしてきめ細かい。
本当に腕のいい職人を知っているのだなとエリザベスは感心した。
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