ー1ー

3/6
前へ
/7ページ
次へ
「真城さんは泳がないの?」 急に声をかけられて、私はびっくりして隣を見た。 「……戸田先生」 社会の戸田先生が、アロハシャツにサングラスという格好で、ビーチチェアに寝そべっていた。 私の所属する放送部の顧問でもある先生は、五十歳ぐらいの「おじさん」。 それだけで普通は高校生女子に敬遠されるのに、不思議なことに、飄々としたキャラクターが受けて、戸田先生は男女問わず人気がある。 「風邪を引いてしまって……」 「そう。残念だね」 ……あまり残念ではなさそう。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加