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「虐待されてたのは…六年前から?」
「……五年前だよ」
「…なら……母親は…知ってんのか?」
私は首を左右に振った。
多分お母さんは知らない。
お母さんが仕事の時、こっそり来ていたから…。
「…なら………性的な事も…されたのか…?」
翔ちゃんは聞きにくそうにゆっくり問い掛ける。
私は数秒したのちに、ほんの微かに小さく頷いた。
「…最後の質問だ」
「…うん」
「今…その男は……まだ家にいるのか?」
私は翔ちゃんへ視線を向けては、両手でぎゅっと握り拳を作りこくんと頷いた。
「そうか。ちょっと待ってろ」
「え?」
翔ちゃんはリビングを後にして玄関を出て行った。
まさか…私の家…?
…嘘。
私は急いで翔ちゃんの後を追う様に部屋を出ると、私の家の玄関のドアがパタンと閉まった。
…やっぱり。
私は急いで追い掛ける様にして部屋へと入った。
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