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「今日の勉強は?」
「宿題が少し。後は予習かな」
わざと勉強の話しにすり替えた。そうしないとお互い理性が飛んでしまう可能性がある。特に若い裕輔は性欲を持て余している。いくらなんでも手コキはまずかったか・・・彼にはまだ刺激が強すぎた。
こんな時、本当は飲みにいってまた相手をお持ち帰りして発散したいところだ。
『大人なんだからビッチは卒業しろってか』
深い溜息を一つして左手薬指の指輪を撫でた。コイツの気持はたぶん本気なんだ・・・とは思った。遊びに手慣れているかと思ったらたぶん何もかも初めて。もしかしたら童貞かもしれない。
本当に心から反省するばかり。
裕輔はカバンから宿題を取り出し一生懸命取り組んでいる。
嘘までついて・・・どうせ大学に受かる実力は持ち合わせているに違いない。何も教える事も無くすらすらと問題を解いていく。
親に金まで出させて、まぁ食費はかかるけどそれ以外、何もしていないのだからお金は受け取らないようにしよう。このまま月曜にはうちに帰ってもらうしかない。このままじゃ自分の理性が持たない。いつか本当に裕輔と寝てしまう。
今日はこのままソファで眠ろうか。
バーボンを台所から持ってきて氷の上に直接注ぐ。酒を飲む大人の傍らで難しい問題をすらすら解く高校生。
英語も古文も完璧だった。
「お前何学部行くの?」
「理Ⅲ」
「えっ!医者になりたいの?だったら俺に教えられることないじゃねぇか。医学部専門の塾行けよ」
「行った事あるけど合わなかったんだ」
「俺は完全に文系だぞ!英語ぐらいしか教えられるものはないし」
「知ってる」
「じゃあ、本気で予備校探せって」
「航耶さんの事が気になって夜も眠れないし、集中できないんだ。だから一緒にいたら落ちつけるかと思って。誰かとまた・・・って思ったら勝手に足がここに向いちゃうんだ」
「お前が安心するならいてもいいけど・・・俺も男だしなぁ・・・さっきみたいに手を出しかねない」
「俺じゃどうしてもなの?」
「さっきのお前の反応じゃ・・・余計勉強どころじゃなくなるでしょ」
「勉強頑張るから・・・必ず受かるから・・・」
裕輔は必死の形相で頼んでくる。何とも健気じゃないか。
だからと言って流されていいものじゃない。
一度して、クタクタになって勉強できない・・・と言うことになれば諦めるだろうか?でも相手は若い、すぐ手慣れてなし崩し的になるんじゃないか?
これは大きな賭けだった。
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