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辛いけど・・・・あんな裕輔を見たらやっぱり言わなきゃいけない。
「裕輔、家に帰れ。俺が教えられる事も無いし、ましてやご両親からお金を戴く所以も無い。俺はもう誰とでも寝ることをしなければいいんだろ?新しい恋人を作って幸せに暮らすよ」
「その恋人に俺はなれないってこと?」
「なれない」
「なんで?」
「お前には将来も、輝かしい未来も待ってる。大学に行けばカワイイ女の子がわんさかいて、モテモテになって恋人もできるだろう。この先医者を目指して勉強してどっかの院長の娘かなんかとの縁談が来るかもしれない」
「なんだよ!その安っぽい医療ドラマ。他に目がいくわけないだろ?俺はアンタが好きなんだ!」
「今はそうでも、すぐそんな思い消えちまうさ。まっとうな道をいけ!」
「アンタはまっとうじゃないのか?普通に仕事してイイ金稼いで」
「自分でも認めたくないけど・・・やっぱりマイノリティーなんだよ。世間では」
「俺を追い出したいだけなんだろ?嫌いだったら嫌いって言えよ」
「お前なんか嫌いだ、裕輔。ガキだし、強引だし、ボンボンだし」
「チキショーっ!」
そのまま駈け出して出ていった。
なぜだろう?目から涙が溢れて止まらない。裕輔の前で出ないで良かった。
30過ぎているのに・・・甘くて切ない恋をした。
しばらくみっともないほど大声で泣いた。明日の顔がむくんでも仕方ない。
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