第7話

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ただ家を置いただけで固定資産税は付くし解体してサラ地にするとその費用も嵩むから売却した方がいいんだって。」 「いいか、お前どんな家にも原価償却はあるが土地はそうは行かない差し押さえの対象になる。 わしゃにだって顧問弁護士はついている。 それくらいのことは分かる。」 「母さんの家出は親父の借金に関係あるのか。」 「そんなの知るか。 わしゃー覚えてるのは自己破産した時のことだけだ。」 「自己破産、そんな話初めて聞いた。 それで。 さっき借金逃亡者と言ったじゃないか。」 「自己破産は町の金融屋から,借金逃亡者は仲間から借りた金だ。」 「どれぐらい借金があったんだ。」 「知らないね、とにかくわしゃーはこの家を購入した時に弁護士のアドバイスしか受けてないよ。 当然この家はわしゃーの名義さ。」 「でもおばあさん気はしっかりしてますね。 でも彼のお母さんが家出して実家に戻ったことはお父さん知らないのでは。」 「あいつが行っても相手にはしないだろ。 今占ってやる。」 「占うって誰を誰だ。」 「お前をだ。」 祖母は卓袱台から髪で出来た箱を取り出した。」
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