死者が蠢く星

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「…だそうだ。聞くまでもなかったな」 「何得意げになってんのさ。腹立つねぇ」 派手な装飾が施されたウィンドウを閉じ、互いに顔を見合わせる 「相変わらずここの運営って、こういう悪趣味なイベント多いよね。おまけに、かなりの高確率で私たちも巻き込まれるし」 「確かにな。この前のタートルイベントといい」 「あれ、アンタ達参加したんだ」 「強制的にな。ムキムキのカメに追い掛け回されるとかトラウマものだぞ」 その時の様子を思い出したのか、ニーナとラミルは同時に身震いをする 「で、思い出にふけってるとこ悪いけど、これからどうずるのさ」 「取り敢えず味方と合流するか。西に5キロほどのところに、同じ帝国の偵察隊がいるはずだから」 「5キロも歩くんだね…。モンスターとか連邦軍と遭遇しないかな…?」 ラミルの案を聞いたニーナが周囲の廃墟を見回し、不安そうに声を漏らす 足元に置いていた装備品に手を伸ばしかけた飛鳥も、訴えかけるような視線を向けてくる 「索敵は俺がやればいいとして、確かに5キロも歩くのはきついか。車両も破壊されてるし、仕方ない」 ニーナの肩に軽く手を置き、そのまま脇を素通りして道の中央へ 「うるさいからあんま呼びたくないけど、出てこい!《ウィリット(召喚)!》」 《にゃはははは!久しぶりなんだねぇラミルぅ!登場の台詞が同じで僕は悲しいよぉ!》 アフリカのダンジョンと同様の光が閃き、その渦を突き破るように巨漢の化け猫が飛び出してくる 「なんか、凄く見たことのあるブタ猫の気がするんだけど…」 「バステトちゃんだ!もふもふさせて!」 それぞれが違う反応を見せ、砂埃を巻き上げて着地した召喚獣を見つめる
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