死者が蠢く星

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「バステト、ここから5キロほど移動する。3人乗るぞ」 《にゃ、お安い御用なんだね》 「地上だと索敵に障害が出るから、建物の上を伝っていこう」 飛鳥の足元にあった装備品を担ぎ、近くの民家の玄関を押しあける ニーナと飛鳥がそれに続き、身軽なバステトは壁を利用して屋根の上へ 「今思ったけど、これ何が入ってんだ?」 「軽く中身を見た感じだと、爆薬の類だったね」 「爆薬か。あって損は無いな。助かったよ」 「フンッ」 背後に視線をやったラミルが装備品のバッグを指さし、それに答えた飛鳥が照れたようにソッポを向く 階段を上りきったところで、その様子を黙ってみていたニーナが声を上げる 「ねぇラミル。その偵察隊はこっちの存在を知ってるのかな?」 「まぁ、近くにいることくらいは把握してるだろ」 「念のため、信号弾をあげておいたほうがいいんじゃない?」 「それもそうだな。連邦の連中に発見される危険はあるけど、どのみち3人じゃ対処できるか分からないしな」 二人で納得し、背負っていたバッグを地面に降ろす 口を開けて中身を探っていると、緊急用の信号弾が 「運がいいというか、なんというか」 「なんでもいいさ。撃つなら撃って、早く移動したいね」 手の上で転がしていたラミルからひったくり、上空に腕を突き出した飛鳥が躊躇うことなく引き金を引く ポップコーンが弾けるような軽快な音が鳴り響き、赤い煙を吐き出して登って行った弾丸は、上空で眩い光を放って弾け飛んだ
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