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「バステト。お前にも今回は戦ってもらいたい」
《にゃ?僕が担いで移動した方がよくないかにゃ?》
「あの広い通りをか?ある程度殲滅しないと襲われるぞ」
ラミルの話を聞いたバステトは、仕方ないにゃ~、ともらして伸びをする
そのまま目をキラリと輝かせた彼女は、毛を逆立ててポンっという間抜けな音と共に煙に包まれる
ピンク色の煙が晴れたそこには、黒いワンピースとニーハイを着込み、白髪の頭から二つのネコミミを生やした少女が、にんまりとした笑顔を浮かべて立っていた
「にゃははは、この体になるのも久しぶりなんだね!」
「なんか、あたしと外見が被ってるような気がするんだけど…」
「そこは気にするな。ケットシーを選択してるプレーヤーだと思えば」
ジト目でバステトを見つめる飛鳥を宥め、周囲に再度顔を向ける
「さて、そろそろ敵襲に備えて…!避けろっ!」
顔を上げたラミルの視界を黒い影が過り、本能的に危険を察知した彼は、反射的に低い声で叫んだ
すぐさま彼らのいた場所に何かが着弾し、砕け散った建造物の残骸が辺りに散乱する
その正体を確認する暇もなく、飛び掛かってきたその物体を腰の短剣で受け止め、勢いよく蹴り返す
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