帝国軍

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「全隊、撃ち方始めー!」 エリス大佐の怒声を皮切りに、一斉に弾ける蒼白い光弾 ズラリと並べられた迫撃砲がポップコーンの弾けるような音を発し、弧を描いて飛翔した砲弾が、闇夜を昼間のように照らし出す 爆発に巻き込まれた連邦軍兵士が四方八方に吹き飛ばされ、連続して撃ち出されるエネルギー弾に体を蜂の巣にされる 初撃を免れた敵兵たちが負けじと撃ちかえし、ラミルのタコツボ壕の周りで立て続けに砂柱が巻き起こる 定期的に撃ち込まれる火炎弾のおかげで、対岸を動く連邦兵の様子は丸わかりなため、機関銃や小銃を向ける帝国兵は容赦なく撃ち倒していく 連射で敵を牽制していたラミルが単射に切り替え、二回ほど引き金を引く 対岸で木の陰から身を乗り出していた敵兵の体を突き抜け、崩れ落ちた彼の手から機関銃が零れ落ちる 「攻撃を浅瀬の敵に集中しろ。奴らが渡河してくるぞ」 近くの塹壕に身を潜める機関銃手に駆け寄り、数人の敵兵が川に飛び込んでいる様を指さす 頷いた海兵が銃口をそちらに向け、機関銃をカタカタと震わせる 他の海兵たちも気付いたのか、もたついた動きで移動する敵の周りに激しい水しぶきが立ち込める 何人かは派手に水を撒き散らして川の中に姿を消すが、残った敵兵はしぶとく前進している しかしながら、そこに狙いを修正した迫撃砲弾の落下音が急接近し、爆発の勢いで立ち上った水に掻き消され、水面が落ち着いた頃には全員がバラバラになって浮かんでいた
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