襲い嫁との生活

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いつものように残業はするが部長のキャバクラ通いを断ってそそくさと駅の方に歩を進めていると後ろから呼び止める声がした・・・丸山だ。 「宮城野、同棲してるのか?可愛い男が待っているんだってな」 「なに情報だよ」 「この頃、街に行っても全然来ないし、ママも淋しがってたぜ」 「都ママはそんな事、お前に話さない。口は固い人だしな」 「参ったなぁ、正解。ママ情報じゃない。お前をつけたんだよ」 「お前っ!」 「見た感じ相当若そうな・・・芸能人っぽい兄ちゃんじゃん。すぐ捨てられるぜ」 「うるさい!お前に関係ない」 「そうでもないって言っただろ?俺はマジでお前を欲しいと思ってるんだからな」 「こっちはそんな風に思ってない」 「俺と一度寝てるの、あの子知ってるの?」 「知ってる」 「じゃあ、それでは脅せないな」 「部署のみんなにゲイだってバラすってのはどうだ?困るだろ?」 そんなことして手に入れたいのか? 心じゃなくて・・・寝るだけの関係が欲しいのか? 今の自分はもうそれでは物足りないんだ。心も身体も満たされたい。愛情のないSEXはもうしたくない。 「バラしたかったらバラせよ」 「え?」 「バラしたかったら支店中でもバラせばいいだろ?俺はもう誰とでも寝る事はしない、約束したんだ」 「そんな関係続くわけないだろ?あんな若くてカッコイイお兄ちゃん、オッサンなんて飽きるに決まってる」 「わかってるよ、そんな事。でも今は・・・アイツしか・・・もうダメなんだ」 丸山の手を振り切って電車に飛び乗った。 自分で言葉にした事にびっくりしていた。 裕輔に出会ったことで変わったのは・・・自分だ。 裕輔といることで自分が解放されていく様な気がした。 がんじがらめな常識という鎧が一つづつ剥がれ落ちていく様な解放感がある。
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