1・出会い?と親友

2/6
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
【恋したい、青春したい、でもできない】 自分の現実をノートに書いてみた。 「・・・ぷっ・・・くくくっ!」 これを見た友達が笑い出す。 「ちょっと、笑わなくてもいいじゃん」 「いや、だってこれは・・・ぷっ、あはははっ!」 「もう、美香!」 「ごめん、ごめん」 美香ったら、他人事だと思って・・・。 今、人のノートを見て笑ったこの子は、加藤 美香。そして、笑われた私は、姫野 舞です。 私達は今、青春の真っ最中っぽい高校1年です。入学式はもう過ぎ、夏休みの二日前です。 「まぁ、そんな気持ちも分からなくはないけど・・・私は、大好きな人がいるし・・・」 「大好きな人か・・・。そういえば、美香その大好きな人について何にも教えてくれないよねー・・・」 「うっ・・・そっその話は終わって、舞の話をしようよ」 「えー、まあいいけど」 美香が助かったとでも言うように息を吐いた。 「・・・青春は学校生活おくってるところで出来てるんじゃないのかな・・・?」 「・・・違うよ・・・・青春っていうのは、恋をしたからこそ始まるんだよ。好きな人が出来るからこそ始まるんだよ。ドキドキするからこそ始まるんだよ。わかるっ!?」 顔が本気だ。 「・・・うーん、どうだろう。わかるようわからないような・・・あはは」 美香が苦笑いで言った。 「・・・ごめん、ちょっと熱くなりすぎた。頭冷やしてくる・・・」 席を立って扉の方に向かった。 「どこ行くのー?」 「頭冷やすのに、裏庭に出て風にあたってくるー」 「そう、いってらっしゃーい。次の授業に遅れないようにねー」 「うん、わかったー」 いつも通り、軽く返事をして教室を出た。 美香はいつもあんな感じで、さりげなく心配してくれたりと気を使ってくれる。 あんな私の話も流さずにしっかり聞いてくれるし、見た目も可愛いし、お世話焼きで、私がお嫁に欲しいほどだ。 そんな美香が大切な人だというその人は幸せものだ。誰かわからないけど、私は親友として、美香の恋を応援するぞ。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!