「苦手だ」

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 そういうタイプの人とは、どうも上手く関わっていけない。  表面的には可能であっても、小さな不満のようなものは拭えないだろう。  今ですら、少し息苦しさのようなものを感じているのに。 「……あ、宮本(みやもと)」 「え、えっと、何?」 「今日の日誌、頼むな。黒板は、俺が消しとくから」 「……は?」  思わずきょとんとして、じっと片岡君を見据える。  しかし、彼はそれ以降何も言うことはなく、そのまま机に突っ伏せて眠りについてしまった。  ……どれだけ寝る気なんだ。  呆れ半分、諦め半分の深い溜め息が零れる。  瞬く間にくうくう寝息を立て始めた片岡君が起きる気配はない。  ふと、自分が今日彼と二人で日直をすることになっていたのだということを思い出した。  机の中に入れられた日誌に触れながら、じとりと横目に眠り始めた片岡君を睨みつける。  ただでさえ日直という仕事は面倒で嫌なものだというのに、その中で一番厄介で面倒なものを押し付けられてしまうとは。  確かに、何もせずさっさと帰ってしまうような人よりはいいのかもしれないが。  実に厄介というか、いけ好かない奴だ。 「ちゃんと働け、この無気力やろう」  ぼそりと呟いた文句は、片岡君の耳に入ることはなかった。
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