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部長の瞳に捕らえられて動けない。
動きたくなかったのかもしれない。
婚約したから?
いや、よくわからないけど、そんな理由じゃない気がする。
でもこのままじゃいけない! 流される!
熱い吐息をこぼしてしまいそう。
そう思った瞬間、携帯電話の音で我に返った。
「あっ! 私の……ン……」
電話なんて無視だとばかりにどんどんキスを深める部長だったけど、あまりにも鳴り止まない携帯に漸く降参したらしい。
「出れば……」
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