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「すみません」
ホッとしたような、残念なような不思議な気分でローテーブルの携帯を手に取る。
「幸恵だ……」
昨日合コンで仲良くなった彼とデートに行くと言って、無理やり部長を呼び出して消えたあの幸恵だ。
「もしもし……。幸恵?」
「ちょっと聞いて~!」
かなり声が弾んでいる。
「その声はうまくいったんだね」
電話の向こうでデレデレしている幸恵が目に浮かぶほどのハイテンションに、自分のことのように嬉しくなった。
綺麗だし、明るいし、意外とモテる幸恵。
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